駅ナカ無人本屋、「ほんたす ためいけ」に行ってみた!
ある朝、ぎゅうぎゅうの銀座線で目にした中吊り広告に、気になる文字列を発見した。

「完全無人書店」
ふむふむ。最近流行ってますね、無人販売。冷凍餃子やスイーツの自販機は地元の最寄り駅まで進出していたし、下北沢には無人で古着を売る店もある。それがついに、本屋まで。
「お会計はどういう仕組みなの?」
「万引き対策はどうなっている?」
「どんな本があるんだろう…?」
わたし、とりのささみこは居心地を研究している。”本屋”さんも、子どもの頃から居心地のよさを感じるお気に入りの空間だ。
無人販売の本屋さん。いったい、どんな場所なんだろう?その居心地は?
店舗が溜池山王は、ちょうど当時の会社の通勤路。早速その日の帰り、寄り道してみることにした。
「ほんたす ためいけ」に行ってみた!営業情報とお店の様子

「ほんたす ためいけ 溜池山王メトロピア店」※外観写真は撮り忘れたので、別日に撮影。
公式サイト:https://hontasu.com/
場所:東京メトロ「溜池山王」駅 山王パークタワー側改札 8番出口付近
営業時間:平日7:00~22:00 土日祝 10:00~22:00
帰宅ラッシュ時間の溜池山王。
慌ただしく行き交う人波のかたわら、川辺の小岩のようにひっそり静かに、「ほんたす ためいけ」があった。
大きさは、駅中コンビニくらい?一面ガラス張りの四角い箱型をしている。なんだか動物園のガラスケージみたい。
中には単行本や雑誌が並んでいて、「普通に本屋だなぁ」という感じ。
「ほんたす ためいけ」の利用方法
「ほんたす」店内に入るためには、まずLINEで「ほんたす」公式アカウントを友達追加する。

入退店をシステム化することで万引きなどの被害を防いでいるのだろうか?
友達追加は、店舗の壁にあるポスターの2次元コードをスマホで読み取ればOK。
「ほんたす」とのトーク画面で「会員証」を選択すると、入店するための会員コードが画面にあらわれる。
さっそくコードリーダーにピッと読み込ませて、入店。
ちなみにこのあと、お店を出る時も同じコードが必要なので、LINEアプリは閉じずにバックグラウンドで開いたままにしておくのが便利そうだ。
「ほんたす」の店内に入ってみた

さぁ、いよいよ店内へ。この日は私の他にもお客さんがひとり。あまり広くないので、3~4人を超えたら混み合う印象になりそう。
入ってすぐの棚には話題の書籍がずらりと、こちらを表に面陳列されている。
そして棚の上には大きめのポップが。年末だったので、クリスマスっぽい飾りがついていた。
「ほんたすの最旬」
「TOPICS BOOKS」
「ほんたすのTOP」
「バラエティー十冊十色」…
総合書店でよく見かける売れ筋書籍が、ジャンルを問わずに集められている印象。
オフィス街・溜池山王の駅中本屋だとビジネス書が中心なのかとも思ったけど、とくにそういうわけでもないらしい。
MEGUMIさんの『キレイはこれでつくれます』や村上春樹氏の『街とその不確かな壁』、『変な絵』『変な家』シリーズ、川代紗生さんの『元カレごはん埋蔵委員会』、そして『ちいかわ』と、どこかの本屋で必ず見かける話題書が並んでいる。

もちろん、ビジネス書籍も『頭のいい人が話す前に考えていること』や『とにかく仕組み化』などのベストセラーがそろい踏み。「ビジネスの最先端」というコーナーも設けられていた。
内装も目立って変わったところはない。第一印象はあくまでも、慣れ親しんだ「本屋さん」。
ただ、入り口に立ったとき一番に目にする陳列棚。本の表紙がずらりと並んだこの光景は、「アプリのホーム画面みたい」と感じた。
ほんたすのコンセプトは、
「ふらっと、サクっと、旬を手に。」
「1分でトレンドがわかる無人書店」
たしかに、店内へ足を踏み入れた瞬間、”トレンド”がわっと目に入ってくる。
書店というアナログな空間に、デジタルのニュースプラットフォームの要素が取り入れられたような感覚だ。
また、ほんたすの空間には他の書店とちょっと異なる点がある。
それは、香り。店内全体に、ヒノキをイメージした香りが漂っていて、なんとも懐かしいような、リラックスした気持ちにさせてくれるのだ。
これ、ガラスで閉じられた空間で、香りが逃げていかないほんたすならではの演出なのでは?
入り口左手には使用されている香りの説明ポップと共に、「店内の香りをイメージして選書しました!」のコーナーが。

やっぱりクリスマス時期だから?海外の童話が集められていた。良い香りのする本屋さんで選んだ本をプレゼントって、なんだか素敵…あ、でも無人書店だから、ギフトラッピングはお願いできないのかぁ。
ところで。本屋さんといえばお手製ポップだと私は思っている。
本屋さんではたらく人が、
「こんな人に読んでもらいたい」
「ここがおすすめだから伝えたい」
と思って作ってくれるポップ。
アパレル店は店員さんが積極的に話しかけてくれるけど、本屋さんはだいたい、客のほうから話しかけることが多い。「この本ありますか?」とか。店員さんは、そっとそこで待っていてくれる。
だけど、ふと棚にあるポップをみてみると…たまにすごい熱量が込められてたりするじゃないですか?このギャップがたまらん。
店員さんと客の絶妙なコミュニケーションの温度感、わたしが本屋さんという空間を好きな理由のひとつだ。
無人販売のほんたすにも、ちゃんとオリジナルのポップを発見!

「今週のテーマ」と書かれた棚横ポップ。「投資」や「ChatGPT」、「インボイス」など、ニュースでも話題になっているテーマの書籍が集められている。

少し前からよく耳にする、MBTI16タイプ性格診断。期間ごとに各タイプのひとへのおすすめ書籍を集めた特集コーナーが組まれていた。
平積みされている本の1番上には、手書きポップも貼られている。この感じの手書きポップ、まさに好きなやつ。
無人書店って近未来的な存在だけど、店内で過ごす時間は従来の店舗そのもの。この組み合わせが、ほんたす独自の居心地をつくっているような気がする。
ちなみに、雑貨や文房具もお店の一角に並べられていた。こんな光景も本屋さんあるあるかも。

お会計はどうするの?
せっかくなので、一冊購入していくことに。退店口の横の、無人レジで会計をする。

レジの使い方はシンプルに図解されているのでわかりやすい。ピッピッ、の読み込みで完了。
利用できる決済手段はクレジットカード、電子マネー(PASMOやSUICAなどの交通系IC、nanakoなど)、各種QRコード決済。
現金は使えないので注意!
退店!また寄り道するね、ほんたす
出ていくときも、入るときと同様、コードリーダーにLINEの会員コードを読み込ませて退店できる。
「ほんたす ためいけ」を使ってみての感想は…うん、ふつうに本屋さん。
や、これいい意味ですよ?だって本屋さん好きだもん。
利用者としては、
・コンパクトな店内に話題の書籍が集まっている
・無人レジでスムーズに会計が済む
などが、タイパ重視の方におすすめかも。
居心地はどうかというと…ガラスばりで目立つ外観なので、外からの視線は集めそう。スペースが広くないので、長居にも不向きな気がする。
ただ、店内にただようやさしい香りや、随所にみえる手作り感、狭い空間だからこその落ち着き感はあると思う。
たとえば、大事な仕事をひかえた日の朝や、一日の疲労を抱える退勤時。限られた時間の中でふとリフレッシュしたいとき、コーヒーを一杯買うかわりにほんたすに立ち寄ってみると、少し気分を変えられるのではないだろうか。
本屋さんは、感性と知識のチャージスポット。本屋さん探訪も、居心地研究の一環としてぜひ続けていきたい。






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